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2013年04月

4月28日(日)教室

ゴールデンウィークがやって参りました。
我々にとっても漆にとっても元気になる季節です。
穏やかな陽気の中今日も漆芸にいそしみましょう。

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と、その前に本日は3Dプリンタの登場です。
この度は四角い板をプリントし、漆の工程手板を
作ってしまおう、というプロジェクトです。
しかし、この単純な四角というのが案外難しく四苦八苦。
樹脂が徐々に反ってきてしまったり、
うまく台に食いつかずに剥がれてしまったり。
あの手この手でなんとかプリントすることができました。
今後の報告をご期待ください。

それでは漆の仕事を見ていきましょう。
本日は嬉しい報告があります。
なんと本日で初期メンバー全員がついに金継完成と相成りました!
めじろ会発足からちょうど一年、感動もひとしおです。

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まずはこちらのお茶碗とコップ。

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お茶碗はさりげないこだわりの光る作品です。
かけてしまった破片をうまく使って花形に繕っています。
破片が蕊(しべ)になって可愛らしい仕上がりとなりました。

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コップはスタンダードな仕上がり。
入り組んだ取っ手や膨らみのある高台もうまく金が磨けています。
このように日常使う食器類は金を
7割程度の磨きで止めておくのも一つの方法です。
使い込んでいくうちに金が光っていくのを楽しみましょう。

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こちらの味わいぶかいコップも完成です。

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内側はなかなか磨くのが大変でした。これでしっかり
良い雰囲気ですが次回さらに奇麗に仕上げる裏技を紹介します。

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外は奇麗に磨けました。
もともとあった金の線ともうまい具合にとけ込んでいますね。

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うーん、壮観です。

お猪口は今日も塗り重ねです。

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まだ凸凹が残っていたので今日も研いで塗りです。炭研ぎがうまい!

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あと1回塗ると奇麗な漆面が完成します。
これだけ研ぎが奇麗にできるとなると、模様も楽しみです。

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今日のおやつは私の好物、清水産寧坂仁々木さんのかりんとうです。
お茶を飲みながら、ぱりぱりぽりぽりぽり…止まりません。
食べ過ぎにはご注意ください。

1年経ってみなさんだいぶ仕事が板についてきました。
ここからが漆が楽しくなっていく時期です。
GW、お出かけする機会がある方は、作品のネタ探しもいいですよ。
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展覧会のお知らせ

春は展覧会の季節です!
今、巷ではよだれの滴る様な魅力的な展覧会が開催されています。
展覧会は一期一会。忙しい中でもちょっと足を伸ばして
是非見ていただきたい展覧会をご紹介致します。

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まずは私の一押し、サントリー美術館の「もののあはれ」展です。

もののあはれ

目玉はなんといってもこの2点!

浮線綾
「国宝・浮線綾螺鈿蒔絵手箱」展示期間:
4/17(水)~4/30(火)・5/29(水)~6/16(日)

時雨蔵
「国宝・時雨螺鈿鞍」展示期間:4/17(水)~4/30(火)

今回は浮線綾の蓋裏に描かれた見事な蒔絵もお目にかかれます。
なにしろデザインセンスが抜群なんです。しかも技術も抜群。
鎌倉時代の日本にはこんなにレベルの高い技術が
既に完成していたのです。よだれだらだらです。
どちらも超一級品の国宝だからずっと出しておく訳にはいかないので、
狙いを定めて是非ご覧ください。

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続きましては言わずと知れたトーハク(東京国立博物館)さんです。

大神社展
開催期間:2013年4月9日(火)~2013年6月2日(日)

この大神社展。1〜10までもちろんおすすめなのですが。
なんと「神像」が主役、というマニアックな展覧会なのです。
だからポスターもなんとなく、「おお、ん?」という
なんとも味わい深い仕上がりになっています。
しかし、マニアックと侮ってはいけません。

神様に捧げる為に作られた工芸品の数々はどれも、
当時の最高の力が注ぎ込まれた一級品です。
東洋館も新しくなったことですし、天気のよい休日には是非上野へ。

もうひとつ、漆の大事な展覧会が行われています。

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漆の美
開催期間:平成25年4月13日(土)~5月26日(日)

徳川美術館の「漆の美」展です。
徳川美術館は私立美術館の中でも有数の彫漆のコレクションを持っています。
それが一堂に会するこの展覧会。これほどの作品が一度に見られる展覧会は
もうこの先数十年はお目にかかれないかもしれません。
漆好きには是非とも見ていただきたい展覧会です。螺鈿もすごい。
名古屋というハードルはありますが、みそ煮込みうどんと
ひつまぶしと一緒に小旅行はいかがでしょうか。

他にも今、魅力的な展覧会がたくさんありますので、
みなさんもおすすめの展覧会があったら是非お知らせください!


4月21日(日)教室

みなさんこんにちは。季節はずれの寒さですね。
4月も後半ですから冬将軍にはそろそろ引退していただきたいものですね。
寒さに負けず今日のめじろ会報告です。

本日は乾漆の貼り込みからご紹介しましょう。
めじろ会では2人目の乾漆となりますが、
こちらの方はシンプルなお皿に挑戦です。
既にご存じの方は復習のつもりでご覧ください。

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まずは離型剤を塗ります。糊は良く練っておきましょう。

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こちら、砥の粉(とのこ)です。

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糊と練り合わせて、糊砥の粉にし、
水を足して筆で塗りやすい固さに調節します。

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だまがなくなるまで良く練ったら筆で型に塗りましょう。

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離型剤を塗ったら刻苧を作り、
麻布に擦り付けます。麻布には厚みのある蚊帳が◎。

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これを型に貼り重ねていきます。4枚程度重ねましょう。

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できたら上から木粉を蒔き付けて、さらに「ぎゅ、ぎゅ」と押さえます。
このときになるべく凸凹をならしておくと良いです。
貼込みはこれで完了。この方法は乾漆の中でもちょっと珍しい方法ですが、
1回でしっかりと厚みを作れるので便利です。
そのかわり乾燥期間を4〜7日くらいしっかりと取りましょう。

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ああ…油断したら刻苧がかちかちに。今日は雨が降っていたので
漆の元気が良すぎたようです。油や灯油でがんばって掃除します。

次はお猪口の塗りを見てみましょう。

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このブログでも何度か出て来たお猪口の塗りですが、今日は研ぎに注目。

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漆を研ぐときに便利なのが研炭(とぎずみ)。
中でも今回は柔らかめな駿河炭を使います。
この炭は油桐という桐の木でできています。
大きな固まりを金鋸(かなのこ)で適当な大きさに切ります。

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粗めの砥石を使って持ちやすい形に整えたら、
肌理(きめ)の細かい砥石で表面を滑らかにします。

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研ぐ時は手首をうまく使って、
うつわのカーブに合わせるように炭を動かします。

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研ぎ炭は耐水ペーパーと違って、凸凹の凸部分だけが研げます。
これが研ぎ炭のいいところ。より平らで滑らかな面を作ることができます。
黒く残っている部分が凹んでいる部分です。

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塗りはもうお手の物ですね。

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この写真に写っている美味しそうなものは笹団子です。
笹団子は漆芸の材料ではありません。美味しくいただいてしまいましょう。
ごちそうさまでした。

4月7日(日)教室②蒔絵

春の嵐も何のその。
めじろ会は今日も快晴です。
新年度で気持ちもあらたにうるしに勤しむこととしましょう。

まずはお猪口です。
このお猪口、本日ついに蒔絵(まきえ)を施します。
工程を順を追って見ていきましょう。

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前回までに漆を3回塗り重ねた内側を、まずは炭で研いでいきます。
漆は耐水ペーパーなどでも研ぐことはできますが、
漆専用の研ぎ炭で研ぐことでより平らな面を作ることができます。
ちょっと難しいですが、内側の曲面に炭の形を
うまく調整しながら丁寧に研いでいきましょう。

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研ぎ終わったら、次は「地塗り」の工程。
蒔絵筆を使って透漆をうすーく塗ります。

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厚く塗りすぎてしまったら雁皮紙(がんぴし)などで
軽く押さえて、余分な漆を取って塗り厚を調節します。

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地塗り完了。

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でました。粉筒(ふんづつ)です、金粉です。

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今回は純金平目粉の3号を使います。

粉筒の使い方講座。
こちらの道具、粉筒と言います。なんと鶴の羽でできています。
こういう道具も一つ一つ自分で作らなければいけないので
蒔絵師の道は険しいです。使い方は以下の通りです。

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人差し指と親指でしっかりと粉筒を固定します。
力みすぎてつぶさないよう、注意してください。

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粉筒の先端がぶれないように気をつけながら、薬指を使って
「カチ、カチ」とはじくように粉筒を振動させます。これが難しい。

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中指でもいいです。

ではやってみましょう。

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粉筒の後ろ側から金粉を入れて。

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余分な金粉は払い落としておきます。

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狙った場所に金粉が落とせるようになるまで練習です。

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ぱらぱら…。

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うん、いい感じ。

さあ本番です!

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うまく周囲が暈せるでしょうか…。

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うまい!

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完成です!

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初めての蒔絵でここまでできるとは脱帽です。
これは将来が楽しみです。

さてお待たせ致しました。今日のおやつです。

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今日のおやつは、うさぎやの「どらやき」。これはうまい!
しっとりとした生地とふわふわ小豆の粒あんがたまりません。
見た目の美しさも100点。ドラえもんと思わず握手したくなる様な、
感動的などら焼きとの出会いになりました。

4月7日(日)教室①乾漆・金継ぎ

4月7日(日)の教室、前半は乾漆講座です。
今日の仕事は「固め」と「目擦(めすり)」。

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固めには生漆(きうるし)を使います。
しっかり漆を吸い込ませたら軽く押さえ拭きをしておきます。

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固めができたら、目擦用の下地を用意します。
これは、砥の粉(とのこ)と地の粉(じのこ)を
半分ずつ混ぜた下地で「切粉(きりこ)」といいます。

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乾漆素地はまだ麻布や木粉のでこぼこがあります。
その凸凹に下地を刷り込むように付けていくのが「目擦」です。

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今日はここまで!

そしてもうひとつ。こちらは金継ぎです。
茨城県笠間の「陶炎祭」で買った花のかたちの器。
これはもう流石に助からないのではないか…というほど
派手な割れかたをしていたのですが、
ご覧のとおり、きれいに修復できました。

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花のうつわに花のような金継ぎでより華やかに。
またひとつ、器の命をつなぐことができました。
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